訪問診療
自宅にいながら受けられる医療サービス
在宅医療(訪問診療)とは
訪問診療とは、病気や障がいがあって病院に通うことが難しい方や、住み慣れた家で過ごしたいという人が、自宅に居ながら計画的な医療サービス(診療)を受けることができる仕組みで、定期的に医師が訪問の上診療します。
訪問診療の目的は治療だけでなく、日常生活の指導を通して寝たきりや肺炎などのリスクを防ぎ、入院しなければならない状況を回避することも重要な役割です。定期的かつ計画的に訪問し、診療、治療、薬の処方、療養上の相談、指導などを行っていきます。
病院での治療を希望されず、おうちで最期を迎えたいと希望された時は、訪問看護師やケアマネージャーと協力し、ご自宅で最期を迎えられるようお手伝いします。
対象となる方
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お一人で通院するのが難しい方。
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介護サービスを受けておられる方。
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高齢で定期的な健康管理が必要な方。
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認知症や寝たきりの方。
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パーキンソン病やALSなどの神経難病をお持ちの方。
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ご家族の介護で手が離せない方。
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最期まで自宅で過ごしたい方。
※上記以外で医師の判断にて訪問診療が可能な場合がございますので、お気軽に御相談ください。
訪問診療までの流れ
当院からの訪問診療を希望される方は、担当者(ケアマネージャー・現在の担当の医師や看護師等)と相談の上ご連絡ください。また現在かかりつけの医師に当院宛のお手紙も合わせてお願い致します。可能な限りお受けしますが、疾患やご住所などの状況で在宅医療が可能かどうかを判断させていただきます。
申し込み前に訪問診療がどのようなものか・料金はどのくらいかかるのか等お聞きになりたい方は、お気軽にお問い合わせください。
訪問診療が可能と判断されましたら、初回の訪問診療日を設定して、その際にご本人・ご家族・関係者(施設職員やケアマネージャー等)と訪問診療の説明や今後の方針の決定・訪問診療の契約・検査等を行います。
定期診療
担当医が患者さんの主治医として日常診療全般を担当します。
看護師とともに定期的に診療にお伺いいたします。曜日と時間を決めて、毎週または隔週でお伺いすることが一般的です。診療の回数や頻度は病状やご要望に応じて調整できます。
診療内容は通常の病院の外来診療と同じで全身の診察に加え、検査・注射・点滴・処置・処方などを行います。
緊急対応(24時間365日対応)
病院での入院と異なり、老人ホームや個人宅には患者様の症状を把握し、判断することのできる医師は常駐していません。そのため当院で訪問診療を行っている患者さんには、24時間365日で、電話相談(電話再診)、緊急訪問看護、医師の緊急の往診のいずれかで対応し、必要に応じて救急搬送、当院への入院やその他の病院への手配を行います。
個人在宅の方
在宅療養中の場合
まずはケアマネージャーか訪問看護師を通じて当院へご相談下さい。介護サービスを受けていない場合には、ご本人さまかご家族さまより当院へ直接ご連絡下さい。
入院中の場合
まずは入院先の医療連携室・相談室を通じてご相談下さい。医療連携室・相談室が無い場合はケアマネージャーを通じて、担当のケアマネージャーが決まっていない場合は、ご本人さまかご家族さまより当院へ直接ご連絡下さい。
施設在宅の方
施設内で患者様が「健康」「安全」「快適」に過ごしていただくにはどのような医療が必要不可欠かという観点に基いた医療体制を整えています。
24時間365日対応をはじめ、施設在宅での特性を熟知し、「患者様や御家族の笑顔」を目標としています。
看取り・終末期・緩和ケア
在宅で最後を迎えること、それは人生の締めくくりを住み慣れた場所で行うことで、安らかな人生を全うすること、人が人らしく生き抜いた生き様を表すことです。そんなお手伝いを我々は日夜、あたりまえのこととして行っております。
いかなる状況にも適切に対応し、不安なく最後が迎えられるよう最善を尽くします。難治性心不全や末期癌患者さんの療養管理に関しても、緩和ケア研修、多くの経験を持つ医師が対応します。在宅酸素や在宅呼吸器、中心静脈点滴についても問題なく対応できますので、まずは御相談下さい。
在宅で可能な医療内容
処方
診察の際、お薬が必要な患者さんには処方箋を発行いたします。処方箋は近隣の調剤薬局でお薬と引き換えることができます。
薬局に取りに行けない場合は、薬局から薬剤師さんに配達してもらうこともできます。その時に薬の飲み方や副作用の注意など、薬剤師さんから詳しく説明を聞くこともできます。
検査
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血液検査・尿検査・便検査など
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超音波検査(内蔵全般、心臓、体表)
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心電図検査・ホルター心電図検査
一般的な外来で実施される検査については概ね対応可能です。
CTやMRI、内視鏡など精密検査が必要な場合には、提携医療機関をご紹介いたします。
治療
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点滴・注射
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予防接種
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インスリン・自己血糖測定
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在宅酸素療法
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気管切開・人工呼吸器
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経管栄養法(経鼻・胃瘻・腸瘻)
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中心静脈栄養法(IVH、ポート)
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尿道留置カテーテル・膀胱瘻・腎瘻
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外傷や褥瘡などの形成外科的処置
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PCA(患者自己調節鎮痛法)ポンプによる疼痛の管理・麻薬の管理
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胆道ドレナージチューブの管理(症状により対応不可の場合もあります)
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輸血(当院の輸血適応基準と適合する場合のみ)※1
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抗がん剤治療・細胞免疫療法の支援
※1 輸血については、後方医療機関や訪問看護との連携など、条件調整が必要です。
費用について
各種保険が適用となり、通院のときと同じ負担額になります。高齢者(70歳以上)の場合、医療費負担の上限が決まっています(1割又は2割負担の方は18,000円、3割負担の方で約80,000円~260,000円※課税所得による)。
医師が月2回ご自宅に訪問する場合の一般的な費用は以下の通りです。
対象
負担割合
1割
高齢者(70歳以上)
2割
3割
一般(70歳未満)
3割
標準負担額
約7,000円
約14,000円
約20,000円
約20,000円
負担額上限
18,000円
18,000円
約80,000円~260,000円(課税所得による)
高額医療費による返還
(注2)
(注1)
(注1)…詳しくはお住まいの市町村の担当窓口か、ご加入の医療保険者までお問い合わせください。
(注2)…一定の負担額を超える場合に適用されます。申請が必要です。
初診の月は上記と異なります。
検査や処置、電話相談、往診などを行う場合、別途費用が加算されますが、月額の上限額を超えることはありません。
院外処方となりますので、薬剤費は別途必要です。(通院の場合と同様です。)
介護保険の利用者は居宅療養管理指導費(月に約600円)が必要となります。
一部、保険診療の適用されない物品や処置に自己負担が生じる場合があります。
例外もありますので、詳しくはお問い合わせください。